時々は歩いたほうがいいんじゃないかしら
自分のことを分かってもらえないと思っている人が
- 人と直接交流する大切さが分かる
- 自分のことを知ってもらう方法を学べる
- 新しい信頼できる仲間ができる
『魔女の宅急便』のあらすじ
キキは魔女の母、コキリさんと民俗学者のお父さん、オキノさんから生まれた魔女の女の子です
キキは「お母さんが魔女だから、あたしも魔女になれっていうのはおかしくない?」と反発しちゃう現代っ子です。
でも、試しに少しだけ・・・・けとほうきで飛んでみたらその面白さにとりこになってしまって、魔女になることを決めました。
魔女は13歳になって初めての満月の夜に独り立ちをする決まりになっています。
1人で魔女のいない町で暮らしていかなくてはいけないのです。
そして、独り立ちをしたら一年間は戻ってきてはいけないのです。
新しいほうきも新調して、「おしゃれな洋服で新しい町へ行くんだ!」と張り切っていたら、コキリさんに使いこんだ古いほうきで行くように言われてしまいます。
しかも魔女は黒い服を着ているのが”しきたり”なのだと聞かされて、キキはがっかりしてしまいます。
いよいよ旅立つ満月の夜にキキは相方の黒猫、ジジを連れてと旅立ちます。
海のある町に行きたいキキは、一晩中飛んで海のそばに立っている高い時計台を見つけました。
この町の風景がすっかり気に入ってしまい、キキはこのコリコの町に住もうと着地します。
驚いている町の人たちにキキは挨拶をしますが、反応は良くありません。
キキは胸が痛かったのですが、なんとか笑顔で乗り越えました。
てっきりみんな珍しがって歓迎してくれると思っていたキキは当てが外れてがっかりです。
何しろ前住んでいた町では、みんなが魔女と暮らすのを喜んでくれたのですから。
今夜泊まるところもないキキが歩いていると、パン屋のおかみさん、おソノさんと出会います。
パンを買いに来たお客さんの赤ちゃんが使っていたおしゃぶりが店に置き忘れて会って、どうやって届けたらいいか困っていました。
キキはそれなら私が飛んで届けてあげると、おしゃぶりをお客さんの家まで届けてあげました。
そのことをおソノさんにとても感謝されて、その日はパン屋の二階に泊まらせてもらうことになりました。
このコリコの町に住もうと決めたキキは、町のひとたちのものを届ける「魔女の宅急便」をオープンします。
- 誕生日の子どもに黒猫のぬいぐるみを届ける
- 海で波にさらわれた子どもを救助する(ここで少年とんぼと初めて出会います)
- 恋する女の子に代わって、相手の男の子に詩とプレゼントの万年筆を届ける
- おばあさんが船長の息子に編んだ腹巻を船まで届ける
- 森で会った少女が描いた絵を展覧会まで運ぶ
- 電車に置きっぱなしになってしまった楽器を取りに行く
- 壊れてしまった時計台の鐘を針を手動で動かすことで鐘を鳴らしてあげる
時々失敗もありましたが、キキが運んでいたのはモノだけでなく、届け主の想いや気持ちも一緒に運んでいたのです。
そんなキキに町の人たちは以前持っていた偏見がなくなり、悪いように考える人もいなくなりました。
そして、キキがこの町にきて一年が経ちました。
そしてキキは念願の実家に里帰りをしました。
しかし、10日以上はいるつもりでしたが、5日くらい経つとコリコの町のことがとても気になるのです。
海のにおい、高い時計台、友達になった人たち、焼き立てのパンのにおい
そして、店にはモノを運んでほしい人からの電話が鳴っているかもしれません。
自分の生まれた町なのに、なんだか遊びに来ているようで落ち着かないキキはコリコの町に帰ることにします。
オギノさんとコキリさんにさよならを言って、キキはコリコの町へ飛んで行きます。
遠くに見えた光る海と高い時計台を見て、キキは叫びました。
「ほら、あたしたちの町よ」
『魔女の宅急便』ジブリ映画として有名ですが、もともとは角野栄子さんによる児童文学が原作です。
シリーズは全6巻あり、キキの13歳から35歳までを描いています。
名言の状況
キキは里帰りをして、コキリさんとオキノさんとおしゃべりをしています。
コキリさんはキキとジジの顔をしみじみと見て言いました。
ふたりとも、ずいぶん遠いところに行っていたのねえ。
ついこのあいだまで赤ちゃんだったのに・・・・りっぱにやって・・・・」
キキはそれを聞いて、自信と誇らしさを感じました。
そして、もう一ついつか聞いてみたかったことを尋ねます。
「魔女はね、ほうきばかりに乗って飛んでちゃいけないんじゃないかって思うのよ。
時々は歩いたほうがいいんじゃないかしら。
歩くと色んな人と嫌でも話すことになるし、お互い分かり合えると思うのよね」
ほんとに、そうね
コキリさんは感心してうなずきました。
名言の本質
魔女の数が減っていき、魔女に会ったことない人が増えてきました。
それによって、魔女に対する偏見が増えてって、「魔女は怖いものだ」という考えが広まっていきました。
キキも初めてコリコの町に降り立った時には、町の人たちから迷惑がられ全く歓迎されませんでした。
しかし、「魔女の宅急便」の仕事を通じて出会った人々と会話をし交流することで、魔女に対する悪いイメージは変わっていきました。
行動への応用
キキはもしかしたら甘えがあったのかもしれません。
生まれた町では魔女は町の人たちから歓迎されて愛されていたから、独り立ちする町でも当然歓迎されるものだと思っていた節があります。
しかし、生まれた町で魔女が歓迎されているのは、母のコキリさんが地道に関係を作ってきたからです。
町の人たちに効く薬草を魔法で作って分け与えて、人の役に立って喜んでもらえてということをやってきたからです。
キキは誰も歓迎してくれない町に失望しますが、たまたま歩いていたらパン屋のおソノさんと出会い、役に立てたからおソノさんも部屋を提供してくれたんです。
おソノさんに会えたのも歩いていたからだし・・・あのとき悲しまぎれに飛んでたら、どうなってたかわからないもの
絶望の中にいるときでも逃げずに、顔と顔を合わせて会話をして行動を起こすことで、コミュニケーションが取れて魔女のことを分かってもらえました。
僕は打ち合わせなどで人と会う必要があるときは、必ず直接会うようにしています。
スカイプなどのネット上で会うのは、慣れていないと言うのもありますが、どうも性に合わないんです。
直接会えば顔の表情も分かりやすいし、とったメモをすぐその場でシェアできたり、何より同じ場所にいるということが大切だと思っています。
幸い今はまだ会える距離の人からしか会うことはありませんが、今後海外とか北海道とか遠い所からの依頼だったらどうするかって?
それでも会いに行くと思います!
『魔女の宅急便』の他の名言
あたしは自分のすきなものになるんだ。自分で決めるんだ。
魔女の母親から生まれたキキは、魔女になるかどうかは自分で決めることができます。
しかし、魔女の子は魔女になるのが今までの常識でした、
キキは現代っ子らしく「自分の人生は自分で決めたい」と言うのです。
人生は誰のものでなく自分のものだから、後悔しない生き方をしたいですよね。
そのためには「自分で決める」しかありません。
キキは魔女になる道を選びましたが、強制されたものではなく自分で決めたことだから辛いことがあっても頑張れたんです。
心配はおきたときすればいいのよ。今は、贈りもののふたをあけるときみたいにわくわくしてるわ
魔女になると決めた日の5日後の満月の夜に、キキは旅立つと決めました。
そんな急に決めてと心配するジジに対して、キキはこの言葉を言うのです。
起きてもいないことに不安がってもどうしようもありません。
気持ちが重くなり、行動もためらってしまいます。
それよりもいいことが起る!とワクワクしてみましょう。
そうすると前向きになれて、ネガティブもポジティブに変える行動力も生まれます。
そんなに、形ばかりにこだわらないの。心がたいせつよ
キキは独り立ちをするにあたって、ほうきも新調しておしゃれなかわいい服で飛びだちたいとコキリさんに言いました。
しかし、コキリさんは許しません。
慣れないほうきで何かあったらどうするの。
私が使っていたほうきのほうが乗りやすいし使い込んでいるから安全よ
魔女の服は昔から黒って決まっているの。これは変えられないわ
大事な試合前に一回も履いたことのない運動靴を履いてくる人はいないですよね?
履きなれてないから靴ずれをするだろうし、パフォーマンスも落ちるかもしれない。
何より、履きなれた靴には今まで一緒に練習をしてきたという‟安心感‟があります。
魔女の服は黒というのは、僕からしたら時代錯誤のような気もしますが、コキリさんはキキの気を引き締めたかったんだと思います。
独り立ちってそんなに甘いものじゃない。
お金をきりつめて生活しないといけないし、町の人たちともうまくやっていかないといけない。
コキリさんはキキの浮かれていた気持ちに気づいていたんでしょう。
たのまれたら、いやっていわないのが、魔女の仕事のこつよ
キキがコリコの町に行く途中で、一人の先輩魔女に出あいます。
彼女は占い師をしていますが、時々本意ではない仕事の依頼も引き受けます。
作品では述べられていませんが、彼女も魔女の偏見に苦しんできたのだと思っています。
本当の魔女の姿を知ってもらうには、町の人たちと交流するしかありません。
そうやって、彼女は関係を築いてきました。
新規ビジネスがいきなり儲かるほど、仕事の世界は甘いものではありません。
まずは無料でも引き受けて、仕事の存在を知ってもらうことです。
そして、仕事を誠実に行うことはもちろんですが、あなた自身のことを知ってもらう方がもっと大切だと思います。
「あなただから、お願いしたい」と言われたいですよね。
もしかしたら、もうひとりか、ふたり、気に入ってくれる人がいるかもしれない、そう思わない?
パン屋のおソノさんに気に入られて、キキは一晩部屋に泊まらせてもらうことになりました。
ここに来るまでに、歓迎されなく冷たい言葉ばかり聞いてきたキキでしたが、一人いい人がいたのだから他にもまだいるだろうとポジティブに考えます。
人間って自分で理解できないことは、かんたんに悪いことにしちゃったのよね
「魔女の宅急便」をオープンしたものの一週間たってもお客さんは一人も来ませんでした。
どうやら「魔女に品物を預けると魔法で変えられてしまう」とか「なくなったりするんじゃないか」と言いふらしている人がいるらしいのです。
人間は自分の理解できないことは悪く言ったりからかったりすることがあります。
言い方は悪いですが、マイナーな部活を頑張っている部員に対して、「かっこ悪い」とか言って笑ったりしていませんでしたか?
まずその部活のことを何も知らないし、自分でやってもいないのにイメージだけで判断する。
知らない人には教えてあげなくてはいけません。
キキは魔女のことを知ってもらうために宣伝をしました。
すると次第にお客さんが来るようになったのです。
そして、教えてもらってないから知らないのではなくて、知ろうとする努力もしてみませんか?