生きかたを変える

『モモ』から学ぶ 時間の使い方と心の持ち方

『モモ』の名言

もしその心が時間を感じとらないようなときには、その時間はないもおなじだ。

『モモ』から変えられる行動

時短時短と効率ばかり気にしている人

時間を削るのではなく有効に使えるようになる
「忙しい」から「充実している」と思えるようになる
ポジティブになれる

『モモ』のあらすじ

不思議な少女・モモ

昔栄えていた都会の、今は廃墟になっているとある町の円形劇場にモモという小さな少女がどこからかやってきて住みつきました。

モモは背が低くやせていて、8歳くらいに見えくしゃくしゃにもつれたまっ黒な巻き毛と、やはりまっ黒な大きな美しい目をもっていました。

裸足で歩いているせいで足の裏はは真っ黒で、服もサイズが合わなかったりつぎはぎだらけなものばかり。

 

自分の名前以外のことは全く分からず、モモはただここに住みたいのだと言います。

住民たちは戸惑っていましたが、みんなでモモの面倒を見ることにしました。

 

しばらくすると、モモには不思議な能力があり、みんなの役に立つ子だと分かるようになりました。

モモは人の話を聞くだけでその人の悩みが解決してしまうのです。

もっと言えば誰かがモモに話をするだけで、その人はすっかり気分がよくなったりいい考えが思い浮かぶようになるのでした。

モモのこの不思議な能力に気づいた町の人々は何かあるたびに、「モモのところに行ってごらん!」が口癖になっていました。

 

町の人たちはみんなモモのことが大好きでしたが、その中でも親友と呼べる大人が2人いました。

1人目は、道路掃除の仕事を誇りに思いそれに人生をかけている老人、道路掃除夫のベッポ。

もうひとりはほら話ばかりする観光ガイドの青年ジジ。

3人の性格はバラバラでしたが、不思議と仲良くやっていました。

時間泥棒の登場

ある日、町に「灰色の男たち」が突然現われます。

鉛のような灰色の書類かばんを持ち、固くて丸いぼうしをかぶり、小さな灰色の葉巻をくゆらせる紳士のような出で立ちの明らかに人ではない風貌でした。

「時間貯蓄銀行」からやって来たという彼らは「生活を豊かにするために時間を節約しよう!」と町の人たちを説得していきますが、実は彼らは時間を盗む「時間泥棒」だったのです。

灰色の男たちは街の人たちにいかに今の生き方が時間を無駄にしているのかを秒単位で説明します。

 

時間を節約するには無駄な時間を省くこと。

 

そして、節約した時間を彼らが運営する『時間貯蓄銀行』に預ければ、利子とともに後になって何倍にもなって帰ってくると言うのです。

時間泥棒の巧みな説明にみんな乗せられてしまい、みんなの生活は大きく変わってしまいます。

 

町の人たちはできるだけたくさんのことを短時間に詰め込ん、でせかせかと生活するようになっていきます。

一秒たりとも無駄にできないとイライラしながら働くようになり、以前みたいに仕事を楽しむことはなくなってしまいました。

それでももっと倹約しなければと思い、すます怒りっぽくなっていきます。

その節約した時間が時間泥棒たちに盗まれているのにも気がつかず。

 

しかし、時間泥棒に会ったことはみんなの記憶から消されているのでだれも時間を盗まれていることに気がつきません。

こうして時間泥棒たちは誰にも気づかれずに、着実に時間を奪っていったのです。

 

そして、大人たちだけでなく、子どもたちも変わってしまいました。

以前はよくモモのところに遊びに来ていた子どもたちは誰も来なくなりました。

 

大人たちがモモのことを怠け者で時間を盗んでいると言うようになったからです。

何かがおかしいと感じたモモは、友人たちに会いに行きました。

しかし、みんなモモと話したいけれどそんな時間がないと言うのです。

モモは彼らと話すことが時間泥棒たちの邪魔になることで、彼らはモモの時間を盗もうと企み始めます。

一人の時間泥棒がモモに会いに円形劇場を訪れ、いかに社会的に成功することが大事であり、暇な時間や無駄な時間は悪であると説いていきます。

 

しかし、人の話をよく聞く能力のあるモモは納得しません。

すると、時間泥棒の方がだんだんおかしくなっていき、「人間から時間を奪いとっていること」「自分たちの正体を知られてはいけないこと」などの秘密を全て喋ってしまいました。

男は自分の話したことに気がついて逃げ出しますが、モモはしっかり覚えていました。

そこで、モモは他の子どもたちを集めて時間泥棒のやっていることを説明して、大人たちに気をつけてもらおうとプラカードにそのことを書いて町中を練り歩きます。

しかし、忙しすぎる大人たちはモモに関わっている暇はなく誰もとりあってはくれません。

モモの取り組みを脅威に感じてきた時間泥棒たちは、モモを捕まえようと必死になります。

そのころ、モモの前に大きなカメが現れ、甲羅に「ツイテオイデ!」という光る文字が浮かんでいたのでついていくことにしました。

時間の国へ

カメの案内のおかげで時間泥棒たちに見つからずに、モモは「さかさ小路」を越えて時間の外の世界に入っていきます。

ここは時間泥棒が入ってこれない領域なのです。

 

やがて『どこにもない家』に辿り着きます。

そこは幾千種類もの時計が全て異なる時間を刻む不思議な場所でした。

 

モモを出迎えてくれたのは、マイスター・ホラという銀髪のほっそりとした老人でした。

マイスター・ホラはこれまでの出来事を知っていて、モモを呼ぶためにカメを遣わしたのでした。

カメの名前はカシオペイアといい、30分先の未来が見えるので時間泥棒たちに見つからない道を選んで来れたのでした。

 

ホラはモモに時間泥棒たちについて説明してくれました。

彼らは人間を支配するため多くの人間の手下を作っているのです。

 

ホラはここでモモに‟時間‟というものをなぞ解きを通して説明します。

三人のきょうだいが、ひとつの家に住んでいる。

ほんとはまるでちがうきょうだいなのに、

おまえが三人を見分けようとすると、

それぞれたがいにうりふたつ。

一番うえはいまいない、これからやっとあらわれる。

二番目もいないが、こっちはもう家から出かけたあと。

三番目のちびさんだけがここにいる、

それというのも、三番目がここにいないと、

あとのふたりは、なくなってしまうから。

でもそのだいじな三番目がいられるのは、

一番目が二番目のきょうだいに変身してくれるため。

おまえがを三番目をよくながめようとしても、

そこに見えるのはいつもほかのきょうだいだけ!

さあ、言ってごらん、

三人はほんとはひとりかな?

それともふたり?

それともーだれもいない?

さあ、それぞれの名前をあてられるかな?

それができれば、三人の偉大な支配者がわかったことになる。

彼らはいっしょに、ひとつの国をおさめているー

しかも彼らこそ、その国そのもの!

その点では彼らはみなおなじ。

 

モモは時間に対して他の人とは違う感覚があるのでホラは彼女をここに連れてきたのでした。

ホラによればここは「あらゆる人間の時間の源」で、彼の仕事は「時間を人間たちに配る」ことなのでした。

そして、モモを「時間の源」がある場所に連れていきます。

そこでは時間が「美しい花」として絶えず咲いては散ってゆくのが見えて、数え切れない音が美しいハーモニーを作り出しているのが聞こえます。

モモはここを他の友達に見せたかったのですが、ホラに駄目だと言われます。

その代わり帰りたくなるまでいつまでもいていいと言われます。

モモはそのまま眠りに落ちるのでした。

時間泥棒との交渉

モモが目が覚ますと、いつもの円形劇場で寝ていました。

『どこにもない家」で体験したことは夢なのかと思ったのですが、モモはあの時に見聞きしたことを鮮明に覚えています。

そして、カシオペイアもそばにいるを見つけます。

モモが望んだからついてきたのだです。

 

モモはホラに教えてもらったことを町の友達に早く話したかったのですが、誰も訪れません。

なぜなら、モモが時間の国で過ごしたのは一日でしたが現実の世界では一年が経っていたのです。

その間に時間泥棒たちはベッポとジジをうまく誘導して忙しくさせていたのです。

 

他の子供たちも、将来に役立つことにしか時間を使えず、親のいない子どもたちは『子どもの家』に収容されていたのです。

 

モモはカシオペイア「ミンナカワッタ!」と聞かされますが、とても信じられません。

ふと手紙が置かれていることに気づいて読んでみると、引っ越したジジがいなくなったモモのことを心配している内容でした。

もし事情が分からなければ友達の一人だったレストランを経営しているニノの所に行くように書かれていました。

モモは翌日にニノの所を訪れますが、忙しすぎるニノとはほとんど話ができずに何とかジジの住所を教えてもらえることが精一杯でした。

ジジを訪ねると彼は超多忙で世界的に有名な物語作家になっていました。

ジジはモモの訪問を嬉しがって歓迎してくれますが、仕事に追われて自分の近況だけ話してすぐに次の仕事に行ってしまいました。

以前と変わってしまったジジのことを悲しんでいると、カシオペイアもいつの間にかいなくなってしまいました。

 

モモは一人でベッポを探そうとしましたが、見つからず『子どもの家』にいる子どもの友達とも会うことができません。

 

本当に一人ぼっちになってしまったモモの前に時間泥棒が現れて、今夜会って話したいともちかけられます。

夜中に彼らと会ったモモは今一人ぼっちになっているのは全て時間泥棒たちの戦略であり、モモが耐えきれなくなったらホラに会わせるように命令するつもりだったことを聞かされます。

 

友達を取り戻したいモモでしたが、カシオペイアがいないと時間の国にたどり着くことはできません。

そこで時間泥棒たちは一斉にカシオペイアを探し始めます。

 

再び時間の国へ

時間泥棒たちがカシオペイアを探している中、ひょっこりカシオペイアがモモのところに帰ってきました。

2人はホラに事情を説明するために、時間の国に向かいます。

しかし、時間泥棒たちが後ろからこっそりつけてきたことには気がついていません。

 

 

『どこにもない家』に着くと、モモは眠ってしまい、起きると時間泥棒たちが家を取り囲んでいることに気がつきます。

 

この状況を打破するべく、ホラがある作戦を立てます。

時間泥棒の命の源はいつも吸っている銀色の葉巻なのです。

あれには盗んだ時間がつまっていて常に吸い続けなくては時間泥棒は生きていけないのです。

時間泥棒が人間から時間を盗んでいるのはこういう事情があったのです。

 

そこで、ホラが眠りに入ると全ての時間が止まってしまい、時間泥棒たちは時間を盗むことができなくなり消滅してしまいます。

しかし、時間が止まるとホラは再び目覚めることができなくなるので、誰かが再び時間を動かさなくてはなりません。

そこでホラはモモに「一時間分の時間の花」をモモに手渡します。

マイスター・ホラは一時間分の時間の花をモモに渡します。

 

この花を持っていれば時間が止まっても一時間だけは動くことができます。

その代わり一時間でモモがすべきことはたくさんあります。

  • 時間泥棒たちは時間が止まったことに気がつけば、、葉巻の補給のために「時間貯蔵庫」に向かうはず。
  • 場所を特定したら、時間の補給を妨害して彼らを消滅させる。
  • 貯蔵庫から奪われた時間を開放する。

ホラが眠ると同時にモモとカシオペイアの作戦が始まるのでした。

そして時間を取り戻す

時間泥棒たちはすぐに時間が止まっていることに気が付き、慌てて貯蔵庫に向かって一斉に走り出しました。

モモもカシオペイアを持ちながら彼らの後を追いかけます。

時間泥棒たちはお互いの葉巻を奪い合って、自分だけは生き延びようとして奪われた時間泥棒は次々に消滅していきます。

時間泥棒たちは時間を貯蔵している金庫の前にたどり着きます。

金庫の扉が少し開いていて冷気が逃げているせいで時間の花が溶け始めています。

そこで時間泥棒たちは人数を減らさなくては全滅してしまうと、コイントスの判定によって六人まで人数を減らします。

一時間では全員を消滅させられないので、モモは見つからないようにこれ以上時間を補給できないように金庫の扉を閉めることにしました。

時間の花を持つモモだけが金庫の扉を動かせるのです。

時間泥棒たちは時間の花を奪おうとモモを追いかけますが、追いつく前に葉巻が全部燃えてしまい全員消滅してしまいました。

そしてモモが金庫の扉を全開にすると「時間の花」が風に飛ばされて、時間を奪われた持ち主の元に帰っていきました。

モモもこの風に元の世界まで飛ばされます。

時間は再び動きだし、再び元の友達みんながモモの元に集まってきてモモは再会を喜ぶのでした。

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名言の状況

マイスター・ホラはモモに時間の概念について説明します。

彼は時間を人間に平等に分け与えることはできるが、それをどう使うかはその人次第であると。

光を見るためには目があり、音を聞くためには耳がある。
それと同じで、時間を感じるためには心がある。

心がなければ時間を感じることはできない。
虹の七色は目の見えない人には存在していないと同じで、鳥の鳴き声は耳の聞こえない人にはないと同じです。

ちゃんと心臓が動いているのに、時間を感じとれない心の人がいるとホラは説明しています。

名言の本質

「心が時間を感じとる」とはどういう意味でしょうか。

時間は誰でも同じ1日24時間です。

スマホでぼーっと時間を費やしても、一心不乱に仕事に打ち込んでも流れる時間は同じです。

 

でも、気づいたら何時間も経ってたってこともあるし、まだこんな時間なのかと嘆くこともないですか?

 

つまり時間は心の持ちようでどうにでもなるってことではないでしょうか。

行動への応用

世間ではやたらに「時短」だとか「働き方改革」を言われています。

仕事でもなんでも効率よく終わらせて時間を節約する。

そのための道具もどんどん新しいものが開発されています。

 

しかし、それだけ効率よく仕事を終わらせて空いた時間に何をするのでしょうか。

仕事をはやく終わらせるためにイライラしながら気分を悪くして、うまくいかなくなりまたイライラしてしまう方が多いのではないでしょうか。

 

仕事を楽しめずに早く終わろう終わろうと思ってしまい、その時間を心が感じとらなくなってしまってはどうしようもありません。

これでは、時間泥棒に付け込まれてしまいます。

 

時間を節約することから、「時間を生かす」ことを考えてみましょう。

 

心で時間を感じていれば、あなたの「時間」は守られるでしょう。

『モモ』の他の名言

ほんとうに聞くことのできる人は、めったにいないものです。そしてこのてんでモモは、それこそほかにはれいのないすばらしい才能をもっていたのです。

ただ人の言うことを聞くことのできる人はたくさんいます。でも、言葉の表面だけでなくその人の言いたいことや本当の気持ちまで聞いてあげることのできる人はどれだけいるでしょうか?

モモの元に話を聞いてほしいと訪れる人たちはみんな自分で答えを出しています。モモはただ話を聞いているだけです。

これもモモが本当にその人のために話を聞いてあげたいと思っていたからではないでしょうか?

 

この相手の話を聞く能力は「悪いことに引きずり込まれない」ためにも有効です。

時間泥棒に説得されそうになっても、相手のことが分かるから説得には応じなかったのです。

ベッポの考えでは、世のなかの不幸というものはすべて、みんながやたらうそをつくことから生まれている、それもわざとついたうそばかりではない、せっかちすぎたり、正しくものを見きわめずにうっかり口にしたりするうそのせいなのだ、というのです。

最近話題になってますね。保身のためについた嘘が大きくなって今更言い出せずどんどん行き詰ってしまった。

保身のためにつく嘘はわざとですが、誤った見かたをしたための間違いも不幸の原因となってしまいます。

すべての人間はそれにかかわりあい、それをよく知っていますが、そのことを考えてみる人はほとんどいません。たいていの人はその分けまえをもらうだけもらって、それをいっこうにふしぎとも思わないのです。

これは何のことか分かりますか?

これは‟時間‟です。

時間は無限にあるものだと誰もが思っていて、なぜ時間があるのか誰も不思議に思わないのです。

「いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん、わかるかな?つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸のことだけ、つぎのひと掃きのことだけを考えるんだ。いつもただつぎのことだけをな。」
またひと休みして、考えこみ、それから、
「するとたのしくなってくる。これがだいじなんだな。たのしければ、仕事がうまくはかどる。こういうふうにやらにゃあだめなんだ。」
ベッポ

ベッポは仕事を楽しんでいます。ていねいな仕事を続けていくことが仕事を楽しむコツです。

ところが時間を奪われてただひたすら時間を節約するために仕事をしだすとちっとも仕事が面白くなくなります。

仕事を楽しめる余裕が欲しいですね。

ほんとうだとか、うそだとか、いったいどういうことだい?
ジジ

ジジはほら吹きで作り話ばかりしてみんなを楽しませています。

その話が本当かどうかみんな聞きたがりますが、ジジはそんなことどうでもいいのです。

誰も知らない話なんて確認しようがないんだし、そんなことどうでもいいじゃないかと。

 

そもそも、ほんとうのことって何でしょうかね。

モモ、ひとつだけきみに言っておくけどね、人生でいちばん危険なことは、かなえられるはずのない夢が、かなえられてしまうことなんだよ。

ジジ

ジジは貧乏な時からの夢だったお金持ちになることができました。

その代わり時間の節約ばかりで忙しく、前みたいに楽しさを感じることができません。

夢は叶えたら夢でなくなります。

叶えてしまって、それからどうしたいのでしょうか?

 

過去におこったことのように話しましたね。でもそれを将来起こることとしてお話ししてもよかったんですよ。わたしにとっては、どちらでもそう大きなちがいはありません。

時間泥棒は『モモ』では過去の話でした。しかし、現在でも時間泥棒は存在しているように思えませんか?

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