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『夏美のホタル』を読んで「3つの愛」を知れば、当たり前の関係に感謝できて自分自身にも自信がもてるようになります

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夏美のホタル (角川文庫)

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『夏美のホタル』の名言

飛んでいるだけで幸せなのではなくて、本当は、誰かと一緒に飛んでいるから幸せなのだ、きっと。

『夏美のホタル』から変えられる行動

 

人間関係がマンネリ化、人と比較して落ち込んでしまうという人が

  • パートナーと新鮮な気持ちで接することができる
  • 親子関係を見直せる
  • 自分に自信を持てるようになる




『夏美のホタル』のあらすじ

大学生で写真家の卵の慎吾は卒業制作の写真を撮るために、恋人で保育士の夏美と千葉の房総半島の山里をバイクで訪れました。

トイレを借りるために立ち寄った「たけ屋」で高齢のヤスばあちゃんと"地蔵さん"と呼ばれる体が少し不自由な恵三じいさんと出会い、夏休みの間居候させてもらうことになりました。

都会っ子の二人にとっては山里の自然やヤスばあちゃんらとの交流は新鮮で毎日が新しい発見です。

 

特に、夏のホタルの世界は別世界でした。

川原に立つと、そのはもう別世界だった。
薄闇のなか、三六〇度、ぼくと夏美は緑色に明滅すると光に囲まれていたのだ。清涼な川風と、心地よいせせらぎの音、森と水の清々しくも甘い匂い。
そして、蛍、蛍、蛍。

 

夏休みの終わりが近づいた頃、地蔵さんが動脈瘤破裂で倒れ意識不明の重体で入院してしまいます。

 

真吾と夏美は落ち込むヤスばあちゃんを必死で励まし、何かできることはないかとさがしていると地蔵さんの別れた家族のことを知ります。

 

別れて以来会えていない地蔵さんの元妻と一人息子を地蔵さんとヤスばあちゃんに会わせてあげたいと奮闘していきます。

 

地蔵さんは回復することなく亡くなってしまいますが、2人の努力は地蔵さんのかつての家族とそして慎吾と夏美自身にも奇跡を起こしていきます。

 

「本当にあるんだね。奇跡ってーーー」

 

そして数年後、豊かな自然と人との繋がりを通じて成長して夢を叶えた慎吾と夏美の間には新しい命ができていました。

 

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名言の状況

秋晴れの山里に飛んでいる無数のトンボを見ながら、夏美が一言つぶやきました。

「このトンボたちって冬にはみんな死んじゃうんだよね。生まれてきて幸せなのかなぁ」

 

返答に詰まった慎吾は返事が質問になってしまいました。

「そもそも、幸せって、なんだ・・・・?」

 

幸せの意味について考える二人が出した答えは単純なものでした。

夏美は慎吾の手を握ってこう言いました。

「幸せって単純にこういうことかも・・」

 

「じゃあ トンボは?」

「正解は、空を飛んでるだけで幸せ」

 

この1年後、同じ場所で秋空を見ながら2人は立っています。

写真家としての夢を叶えた慎吾に再び同じ質問を夏美はしてみました。

 

「トンボの幸せは?」

「空を飛んでるだけで幸せ」

 

しかし、この時の慎吾には幸せの意味をもう1つ見つけていました

それがこの名言です。




名言の本質

この作品ではこの名言から「3つの愛」を教えてくれています。

  1. 1つ目の「愛」はカップル愛
  2. 2つ目の「愛」は親子愛
  3. そして忘れてはいけないのは自分自身への愛です。

 

カップルも親子も愛があるから一緒にいて楽しいし一緒にいたい存在です。

自分自身にも愛がないと自分のことを嫌いになってしまいます。




行動への応用

カップル愛

夏美は慎吾の手を握って、「幸せって単純にこういうことかも・・」と感じています。

 

愛する2人が一緒にいられるのはそれだけで幸せなはずです。

もし1人だけでいたら、この幸せは味わえないでしょう。

 

出典は不明ですがこんな有名な言葉があります。

「2人というのはいいものだ。悲しいことは半分に、楽しいこと倍になる」

 

いつも一緒にいてくれるパートナーのことを当たり前の存在だと思っていませんか?

 

その相手に感謝してみましょう。

 

そうすれば2人でもっと大きな幸せを感じることができるでしょう。

親子愛

親から子どもへ最後まで残る愛は「名前」ではないでしょうか。

 

慎吾と夏美はヤスばあちゃんの世話をしているうちに地蔵さんの生い立ちを知ります。

地蔵さんの父親は彼が生まれる前に死んでしまったそうですが、地蔵さんは父親に対して感謝していることがあるのだそうです。

それは"恵三"という名前を残してくれたこと。

 

“恵三”というの名前は”三つの恩恵”という意味で名付けられたそうです。

  • この世に生まれてくる喜び
  • 親に愛される喜び
  • 伴侶と一緒に子供の幸せな姿を見る喜び

 

地蔵さんの”恵三”という名前は父親がつけてくれたものだから、形見であり愛であると思っているのです。

考えてみれば、名前ほど親の想いが込められたモノはそうそうない気もする。
(中略)
そう考えると、これ以上の形見はないようにも思えてくる。

 

産まれた時から当たり前にある自分の名前をこのように考えてみると、親しみがわいて親の愛を感じることができませんか?

 

親が嫌い、こんな家に産まれなければよかったと親に対して不満を持っている人でも、あなたにはちゃんと親からの愛が一生ついているのです。

 

ちなみに地蔵さんの一人息子は公英といいますが、この名前は地蔵さんの好きなタンポポ(蒲公英)から名付けられました。

だからここにも親から子への愛があり、この名前も地蔵さんの形見なんです。

たんぽぽは、いい花だよぅ。
花が終わっても、たくさんの命を
空にふわふわ飛ばせるなんて、
なんだか素敵だからよぅ。

 

この話に出てくる親子愛は

  • 地蔵さんとその父親
  • 地蔵さんとヤスばあちゃん
  • 地蔵さんと公英
  • 公英と生まれてくる子ども
  • 夏美と父親
  • 夏美・慎吾と生まれてくる子ども

 

みんな形は違いますが、親子愛は代々引き継がれていくのです。

自分自身への愛

慎吾は地蔵さんとヤスばあちゃんとの交流を通して、彼自身の中で何かが変わりはじめていました。

 

真吾の夢はプロの写真家になることですが、現実はそう甘くありません。

真吾は結果を出している同級生たちを妬み、焦りを感じていました。

そして妬んだ気持ちの分だけ、自分の内側に汚れたフィルターがかかっていくような気持ちになっていきました。

 

 

こんな気持ちだった慎吾に地蔵さんが山に見える月を見ながらこんなことを教えてくれました。

月は楕円軌道を回っているから、単に距離の違いで月の大きさが変わることもあるし、目の錯覚でなんだか大きく見える時もある。
でも月自体の大きさが変わったわけではない。

さらに地蔵さんは月の大きさになぞらえて慎吾にこうも教えてくれました。

人間は何かと何かを比べたときには錯覚を起こしてしまう。

だから自分と他人をあまり比べない方がいい。

 

誰かと自分を比べると自分にないものばかりに目がいってしまって、自分の満ち足りている部分を忘れてしまう。

 

慎吾はそれまでは他人に勝とうとして写真を撮っていたというのに気が付き、“ただシンプルに、自分の感性の中で最良の写真を撮る'”ことの大切さに気がつくことが出来ました。

すると、写真を撮ることが心から楽しくなりどんどん自分らしい写真に変わっていくのが実感でき、写真の質もあがっていきました。

 

これこそまさに 「自分自身への愛」 ではないでしょうか。

  • 誰かと自分を比べない。
  • 自分自身を信じる。

 

変わっていった慎吾は最後は自分の夢を叶えることができました。

 

「人と比較してみじめになってしまう」「自分に自信がない」、「好きになれない」という人は地蔵さんの言葉を思い出してみましょう。

 

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