ものは心で見る。肝心なことは目に見えない。
相手の印象や年齢、地位などから判断してしまいがちな人が、
- 見た目に惑わされなくなる
- 内面を知ろうとするようになり、本当の想いに耳を傾けるようになる
- 自分の内面も外見に負けないように磨いていける
『星の王子さま』のあらすじ
小さい星の王子さまは仲の良かったバラの花とけんかをしてしまい、星を出ていくことにします。
渡り鳥に連れられて6つの星をめぐり、6人のへんてこな大人たちと出会いどこか引っかかる違和感を持ちながら王子さまは地球に降り立ちます。
しかし地球で出会った人や遭遇する出来事に「何かがおかしい」、「何かが間違っている」と疑問をを持ち続けて悲しい気持ちになってしまいます。
そんな中砂漠で出会ったキツネに人生の大事なことを教えられて、ほっとするのです。
そして砂漠に飛行機が不時着した「ぼく」と出会い友だちになるのですが、星に残してきたバラが気になって不安になり毒ヘビに体を噛ませて魂だけ星へ帰っていきました。
名言の状況
色々な出来事に傷ついた王子さまはキツネと出会います。
悲しさを紛らわせるために一緒に遊んで欲しいと頼む王子に、キツネは「飼いならされていないから遊べない」と言います。
この「飼いならす」とは訳者によって表現が違い、「仲良くする」だとか「絆を作る」だとか「なつかせる」と訳されたりもしていますが本質的な意味は同じでしょう。
キツネによれば「飼いならす」とは,
あるものに対して時間をかけることでそれは他の同じようなものとは違う特別なものだと思うようになることだと言うのです。
そして、時間をかけてキツネを「飼いならした」王子さまはキツネと別れるときに「ものは心で見る。肝心なことは目に見えない。」という”秘密”をキツネから教えられるのです。
名言の本質
『星の王子さま』にはとにかく名言が多すぎます。
どれか一つを選ぶのは難しいのですが、この「大切なことは目に見えない」は外せないでしょう。
恐らく世界で一番有名な言葉だと言っても過言ではありません。
色んな人が色んな解釈をしているので意見が分かれるトリセツになるかもしれませんが,私の見解はこうです。
行動への応用
服装、地位、見た目の雰囲気、社会的立場、周りの評価、値段などのその人やモノを包んでいるもので判断してしまうとその本質は分からないでしょう。
『星の王子様』には同じ内容の発表をしたのに、カジュアルな服では認められずにスーツに着替えたら大絶賛という件も出てきます。
その人が本当に伝えたい想いや情熱も、”見た目”で判断されてしまい誤解されたりもしてしまうのです。
たとえば、同じことを言っても誰が言うのかでその価値は変わりますよね。
- 大学の教授が言うこと・・・
- 医者が言うこと・・・・
- 学校の先生が言うこと・・・・
- 酔ったサラリーマンが言うこと・・・
- 子どもが言うこと・・・
でも子どもが言うことが正しいことも結構あるんですよね。
ところが・・・”子供だから”と真剣に聞こうとしない大人のなんと多いことか・・・
パイロットの「ぼく」は画家になるのが夢でしたが、6歳で画家の夢を諦めます。
それは誰も描いた絵を真剣に見てくれないから・・・・
「ぼく」が描いたのは、“象を飲み込んだボア”の絵なんです。
そして大人に分かってほしかったのは“象を飲み込むことができるボアのすごさや怖さ”であって帽子ではないのです。
でも大人は、絵の見た目だけから判断してただの帽子だと決めつけてしまい、そんなことより勉強しなさいと言い放ちます。
ただただ感じた怖さや驚きをみんなに共感してもらいたいだけなのです
でも大人は目に見えることからしか判断しなくて疑いもしないので、子どもの気持ちを分かってくれません。
つまり、自分にとってはたいしたことではなくても、相手にしたら物凄い大切で重要なことを訴えたいと思っているのかもしれない。
もし、「ぼく」の絵に誰かがボアであることに気が付いて「どうしておなかが膨らんでいるの?」と尋ねてあげていれば、画家をあきらめることはなかったかもしれません。
本質を知ろうとしないで表面だけから結論を出してしまうと、その人の人生にも影響を与えかねませんね。
そして、もう一つ、自分自身の内面も外見に負けないように磨かないといけませんね。
初めて会う相手からすれば、第一印象であなたのことを判断してしまいます。
内面が弱ければ相手はあなたの外見だけでずっと「そういう人」だと思ってしまうでしょう。